今年に入ってから購入したおすすめの高配当株をご紹介します。最近、日経平均株価の伸びがすさまじいですが、急な反落もあり得ます。
その中で配当メインでいくつか株式を長期的に保有することで、目先の株価の変動に振り回されず株式投資を継続することができます。
なぜ、その銘柄を購入したのかも合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ソフトバンク(銘柄コード:9434)
誰もが名前を聞いたことがある3大通信キャリアの1角であるソフトバンク。親会社であるソフトバンクグループ(銘柄コード:9984)と混同される方もいますが、今回は単体のソフトバンクを指していま
す。
ソフトバンクは親会社にソフトバンクグループを持ち、その中核を担っている会社です。携帯・固定通信ネットワーク基盤にICTソリューションを提供しています。時価総額9.4兆円の大型株になります。
購入理由①参入障壁が高い
なぜ通信キャリアの銘柄を購入しようと思った理由ですが、参入障壁が高い点に注目したからです。
参入障壁が高いということは、他の新規企業が参入してくることが難しいと言えます。なぜ難しいのかというと、通信キャリア業界で言うとソフトバンク、KDDI(au)、NTTの3つがすでに大きく市場を占めています。皆さんもスマホを購入するときは、ほとんどこの3つの会社からしか購入を検討しないと思います。最近は楽天も登場してきていますね。
車や服、電化製品など他の業種だと、多くのメーカーが存在していて、購入するときにどのメーカーにしようか迷うことも多いと思います。つまり、この場合は参入障壁が低いと言えます。毎年新しい企業や競合が生まれるので、利益を生み出せない企業は淘汰されてしまいます。
参入障壁が高い業種を選択したら、その次はその中で最も利益を上げている企業を選びます。通信キャリアだと、先ほども例に挙げたソフトバンク、KDDI(au)、NTTがあります。
まず、この3つの中でNTTは2023年6月30日時点で保有されている株式を対象に、2023年7月1日付で1株を25株に分割しています。
◆株式分割とは?
株式の価値を分割して、その分株数を増やすことです。NTTはその分割比率を25:1にしています。例えば1株1,000円であれば、分割後は1株40円になります。
投資家向けのIR情報にも、「より投資しやすい環境を整え、NTTグループの持続的な成長に共感していただける投資家層を幅広い世代において拡大することを目的に、株式分割することといたしました。2023年6月30日時点で保有されている株式を対象に、2023年7月1日付で1株を25株に分割いたします。」と発表しています。
なので、もともと1株4500円ほどだった株価が1株180円まで分割されたというわけです。以前より株価が下がったので、購入しやすくはなりましたね。
しかし、株式分割すると株価が大きく下がるので、投資家からの信頼性の低下を招く可能性があり、今まで購入していた投資家が離れてしまうことも考えられます。特に参入障壁が高い企業だからこそ、他の通信キャリア企業に乗り換えてしまうことも考えられます。
筆者はそのリスクも考えて、NTTはあえて外して、ソフトバンクとKDDIの2銘柄で購入検討を行いました。
購入理由②ストック型ビジネスの企業を選択
通信キャリアはストック型ビジネスに分類されます。
◆ストック型ビジネスとは?
一度契約すると、その契約期間中はずっと対価が得られるビジネスです。要は最近では普通になったサブスクリプションサービス(ネットフリックスなど)がそれにあたります。
通信キャリアも一度契約すると、その後も通信費用などを定期的に収益を得ることができます。他の業種などフロー型ビジネス(モノを作ってそれを売って初めて利益が出るというビジネス形態)と呼ばれるものと比較すると、先に利益が入ってくるので利益率が高くなります。
定期的に収益を得られる基盤が整っている通信キャリアを含めたストック型ビジネスを選択している企業は、収益を安定して得られるので銘柄選択の決め手の1つになります。
購入理由③株主還元を重視している
ここで、ソフトバンクとKDDIを比較するうえで、私が一番重視していた点は「株主還元を重視しているかどうか」です。
要は配当金に力を入れていることと、実際に高い配当金を定期的に得られるかどうかでした。
最終的な企業の純利益や、現在の株価の割安度、つまりPERなども比較を行いましたが、その部分それほど重視していませんでした。
利益もその期間にあった出来事によりけりな所もありますし、割安感に関してもそれほど差はありませんでした。同じ業種で、市場規模も似ているので大きく違いは目立ちませんでした。
そのため、重視したことは過去の配当金の推移と、その企業が株主還元や株主を大切にするようなメッセージを残しているどうかでした。
最終的な決め手【配当の力強さ】
まず配当金に関しては、
KDDI 配当利回り 3.10% 配当性向 43.51%
ソフトバンク 配当利回り 4.41% 配当性向 76.42%
◆配当利回りとは?
配当利回りとは、株式投資を行った際に配当金の利回りがどの程度あるのかを示す指標です。計算式は、1株当たりの配当金÷株価×100で求められます。
※ただ1株当たりの配当金額が高い!というだけで決めることは避けてください。
◆配当性向とは?
配当性向とは企業が純利益に対して、どの程度を配当として支払っているかを示す指標です。計算式としては、配当金総額÷純利益×100で求められます。
つまり、企業が稼いだ金額(純利益)のうち何%配当金に回しているのかが分かります。この配当性向を見れば、その企業が株主還元を重視して配当金をしっかり払っているのかが分かります。
日本株式の平均的な配当利回りは2%-2.5%程度ですが、特にソフトバンクはこの数字を2%も上回っています。
また、ソフトバンクの投資家向けのIR情報を確認すると、配当方針として以下のように掲げていますの一部抜粋します。
「当社は、中長期的に企業価値を高めるとともに株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。企業価値の向上のために、5Gのさらなる高度化のための設備投資を効率的に行うことに加え、新規事業への投資にも継続して取り組んでいきます。
当社は、これからも通信事業と新規事業で成長を続けながら、企業価値の向上に努め、株主の皆さまへの安定的な利益還元を行うことを目指します。」
このように、「中長期的に安定的な配当を継続していきます!」と公言しています。この方針が高い配当利回りと配当性向につながっているのだと思います。
まとめ
結果として、筆者はソフトバンクの株式購入を選択しました。
総合的な理由としては、配当がKDDIを上回っていたのと、配当に関する意識の高さからです。
株式を比較して検討するまでの全体的な流れとしては、
①参入障壁が高い業種を選ぶ(ここでは通信キャリア業界)
↓
②安定的な収益が見込める業種か検討(ストック型ビジネスであることをおすすめ)
↓
③その業種の中で比較(ソフトバンク、KDDI、NTT)
↓
④配当金の推移と、現在の配当利回りを確認
↓
⑤IR情報をもとに、株主へのメッセージを確認
KDDIに投資しても正解、間違いなどはありません。自分が何を重視しているのかを判断の軸にして、競合を比較していくことが大事だと思っています。
また、迷った場合は最終的にその会社のIR情報を確認して、その会社の方針や想いなどを見ると、選ぶときの1つの材料になると思いますのでぜひ参考にしてください。
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