「読書の秋」ということで、今回は「読書」がもたらす効果について、実体験をもとに解説していきたいと思います。
私は18歳の頃に読書にはまり、かれこれ10年間読書を継続してきました。この10年間を振りかえって、10年前の自分からどのように変化したのかも書いていきたいと思います。
また最後に、私が数百冊読んだ中から、特に「面白かった」「知見が広がった」「心が揺さぶられた」書籍を紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
目次
読書にハマっていった理由
今では毎日必ず本に目を通す生活になっていますが、昔は活字があまり好きではありませんでした。
子供の頃は、活字はほとんど読まず漫画ばかり読んでいました。漫画も立派な本ですので、今でも結構読むのですが、子供の頃は漫画しか読んでいなかったです。
なので、中・高時代では科目の中で国語が苦手で、長文を読むことがとても苦痛でした。
しかし、そんな私が読書に目覚めた転換点としては、18歳の頃。本屋さんで、初めて「自己啓発本」を手に取り、立ち読みしました。本当にふと店頭に並んでいた本のタイトルに目がいき、つい手に取ってしまいました。
その時読んだ感覚としては、自己啓発本とはすごいもので「こうも自分をやる気にさせてくれるのか」と、とても驚きました。
確かその時読んだ本が、堀江貴文さんの「多動力」という本だったと思います。その頃は、大学受験に向けて浪人生活を送っていた頃で、目先の勉強にとても嫌気が差していました。
しかし、この堀江貴文さんの本を読んだときに、人生をもっとわくわくさせるような経験がこの先に待っているという気持ちにさせられました。
その際に、目先のことだけではなくて、もっとその先の将来に何をやっていきたいか、どうなりたいかを考えるきっかけをつくってもらえました。
このような出来事から、「本ってすごいな!」と思うようになりました。これをきっかけに、堀江貴文さんやDaigoさんなど、いわゆる自己啓発の名著と言われるような本を片っ端から読んでいきました。この時はいわゆる意識高い系の人になってたと思います。
昔は、意識高い系の人たちを軽蔑していた時期もありました。
何を知ったような口でしゃべってんだよ!
自慢げに話すなよ!
しかし今考えると、この気持ちって「嫉妬」にあたるものだと思っています。
自分が知らないことを知っている、知らない自分が恥ずかしくなるなどと、思春期の頃はちょっとしたことで、嫉妬や妬みを持ったりします。
なので、自分よりも色んなことを知っている人を「意識高い系」と一括りにして相手を馬鹿にすることで、自分の無知をごまかそうとしていました。
しかし、大学生活を経て社会人になると、この無知なことに対する恥ずかしさや、物知りな相手への嫉妬というのはほぼなくなりました。
社会人になると、周りから教えてもらえる環境から、自分から勉強しにいく環境へ変わります。また、分からないことだらけすぎるので、新しい知識や経験がインプットされていくことに新鮮さを味わえて楽しくなってくる時期でもあります。
例えば、社会人になって初めて給料をもらったとき。約20万円という大金がもらえて、「それをどう使おう?」と考えることがとても楽しかったときがあります。
・今まで買えなかったものを買うのか?
・貯金してもっと高いものを買うのか?
・それとも他の使い道があるのか?
・他の人たちは何にお金を使っているのか?
このように、お金の使い道一つとっても、気になることや知りたいことが増えました。
その時に人に聞くのはもちろんですが、「本から知識を得てどのようにお金を使うといいのか?」「どんな使い道があるのか?」について考えるようになりました。
つまり読書をすることで自分の知らない分野や、経験に簡単に触れることができると気づきました。
この一連の過程を経て、読書にどっぷりはまっていきました。
読書がもたらす効果9つ
ここからは、読書がもたらす効果を9つ紹介します。読書の重要なメリットを知ることで、本を読むきっかけになれば嬉しいです。
①知識の向上
本を読む1番のメリットと言ってもよいでしょう。読書は新しい知識を得るための最も手軽で効果的な方法です。
特に専門書やノンフィクションの本を読むことで、専門的な情報や最新の研究結果にアクセスでき、自分の知識の幅を広げることができます。これにより、仕事や学業においても有利に働くことがあります。
②語彙力・表現力の向上
読書は知識向上のインプットだけでなく、相手に伝えるアウトプットに対しても有効です。
まず読書を通じて、日常的に新しい単語や表現に触れることができます。これにより、語彙力が豊かになり、自分の考えや意見をより的確に伝える力が養われます。
特に物語やエッセイなどを読むことで、感情を表現するための言葉を学び、コミュニケーション能力を高めることができます。
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③集中力と記憶力の向上
読書は集中力を要する活動であり、長時間一つのことに集中する訓練になります。
物語を追ったり、複雑な内容を理解しようとする過程で、記憶力も鍛えられます。これにより、他の学習や仕事でも集中力を保つことができるようになります。
内容を理解しようとすると集中力が鍛えらえ、さらに理解するために調べることでより記憶力も鍛えれていくという一石二鳥ですね。
④ストレスの軽減
読書はリラックス効果があり、日々のストレスを軽減するためにも役立ちます。
特にフィクションを読むことで、現実から一時的に離れ、別の世界に没入することができ、精神的な休息を得ることができます。心のリフレッシュに繋がるため、精神的な健康を維持するためにもおすすめです。
読書はメンタルを安定させるのに有効です。夜にちょっとした読書をすることで、睡眠の質も向上します。
⑤思考力・問題解決能力の向上
読書を通じて、さまざまな視点や価値観を学ぶことができます。
特にフィクションでは、登場人物の行動や心理に触れることで、物事を多角的に考える力が養われます。
また、ビジネス書や自己啓発書を読むことで、問題解決に役立つ思考法やアイデアを得ることができ、実生活や仕事に役立てることができます。
⑥自己成長・人間性の向上
読書は自己成長を促進する素晴らしい手段です。
特に自己啓発書や哲学書、心理学書などを読むことで、自分自身を深く見つめ直し、人生における目標設定や人間関係の改善に役立てることができます。読書を通じて、より豊かな人間性を育むことができるでしょう。
読書は他人が経験して得たことや学んだことについて知ることができます。それを知ることで、自分の中の価値観が変化して、より洗練された意識を身に付けることができます。
⑦共感力の向上
物語や小説を読むことで、さまざまな登場人物の感情や立場を理解し、共感する力が養われます。
これにより、現実の人間関係においても他者の気持ちを理解し、共感することができるようになります。共感力は、人間関係を円滑にし、職場や家庭でのコミュニケーションを改善するのにも役立ちます。
読書も1つの対話です。自分の気持ちと作者の思いが一緒だった時は、嬉しくなったりもします。また、自分とは別の考えにも触れることで、実際人と話すときに余裕を持ったコミュニケーションが図れるようになります。
⑧創造力の刺激
特にファンタジーやサイエンスフィクションなど、非現実的な世界を描いた本を読むことで、創造力を刺激することができます。
新しいアイデアを得たり、自分自身の創作活動にインスピレーションを与えることができるため、アーティストやクリエイターにも読書は重要なツールです。
⑨人生の質を向上させる
定期的に読書をすることで、人生を豊かにする知恵や経験を得ることができます。
成功した人々の自伝や、他者の人生経験を描いた本を読むことで、自己改善や人生の目的に関するヒントを得ることができます。
読書を10年間して得られた効果
上記の読書をすることで得られるメリットを踏まえたうえで、実際に私が10年間読書を継続してみて、実際に効果が得られたと実感できるものをご紹介します。
好奇心が爆上げ
これは改めて振り返ると、確かにそうだなと実感できました。
10年前は、あまり物事に対して関心が強い方ではなかったのですが、読書をすると「気になる!」「もっと深く知りたい!」と感じるようになりました。
おそらく読書をするうちに、様々な角度から物事を考えられるようになったことと、他分野の知識へと視野を広げることで、日常生活の中でも今まで気にならなかったことが気になるようになっていきました。
好奇心は何かを学ぶための原動力となります。逆に好奇心がなければ、何かを知りたいとも思わないので、知識の幅は限定的になります。
この好奇心が爆発的に高まったのは、私の中では一番よかったなと感じます。
逆にデメリットとして、資格試験の勉強に少し時間がかかるようになりました。
資格試験は合格点さえ超えれば、資格が与えられるので、受験人数が多くてもノルマの点数を取っていれば落ちることはありません。なので、より短期間で効率的な試験勉強をして、さっさと合格することが理想です。
しかし、好奇心が高まりすぎたせいか、問題集を読んでいるとつい深くまで知りたくなって、調べる時間が長くなったように感じます。
「資格を取って、その分野で専門に仕事をしていきたい!」と考えているのなら、問題集の内容をしっかり理解しておくべきだと思いますが、ただ資格取得が目的であれば、それほど深く知っておく必要はないです。そのため、勉強時間に少し非効率性を感じることがありました。
しかし、好奇心という人間が唯一持つ魅力的な能力を高めらるメリットの方が大きいと感じたので、読書はおススメです。
相手の話すスピードに余裕をもって合わせられるようになった
これは、語彙力が向上したことも関係していると思います。私は職業柄、様々な年齢層や役職の方とお話しをします。また、最終的に決裁者である社長とお話しすることも多々あります。
このように様々な方の話を聞いていると、やはり各々話すスピードが全然違います。
私は会話をする上で重要だと思っていることが2つあります。それは...
まず、相手の話をより深く理解するためには、相手の言葉を理解しなければいけません。言葉そのものを知らない場合は会話になりませんよね。
つまり、読書で得られる語彙力は、この相手の話をより理解することにとても役立ちます。
また、会話のテンポに関しては、話を理解できることで、自然と相手の話すタイミングなどを把握できるようになります。
私が特に意識していることがは以下の2点です。
です。この2つを知ることで、相手の知識レベルにあわせて言葉をかみ砕いて話したり、相手の言葉の量に合わせることで、テンポ良く話ができるのです。
要は、語彙力が増して話がすっと入ってくるので、相手に合わせる余裕ができたということになります。
これは社会人であれば必須になるコミュニケーションの土台にもなる部分なので、コミュ力が低いかもと思う方は読書を習慣にしてみてください。
メンタルが落ち着き、動じなくなった
メリットのところでも触れた「ストレスの軽減」にも関係していますが、読書以外の場面でもメンタルが安定していると感じるようになりました。
読書でストレスが減る仕組みとしては、「セロトニン」というホルモンが関係しています。
セロトニンのこの仕組みが、ストレス減少の要因になっています。
ここで読書とセロトニンとの関係に戻りますが、読書をすることで大量のセロトニンが放出されます。
実際にイギリス、サセックス大学の研究チームが、どのような活動がストレスの軽減に役立つのかについて調べる実験を行いました。活動の種類別に、心拍数の低下や筋肉の緊張緩和の程度を調べ、ストレスの軽減度合いを計測しました。
その結果...
音楽鑑賞が61%、コーヒーを飲むことが54%、散歩をすることが42%、ゲームが21%の軽減効果を見せた中、読書は68%とおよそ7割ものひときわ高いストレス軽減効果を持っていることが分かりました。
この結果から、読書が一番セロトニンを出していることが分かります。
確かに、読書を継続してから不測の事態にもそれほど動じずに対応できるようになりました。
不測の事態には(プレゼン本番でアドリブするときなど)、冷静に次に打つ手を頭の中で即座に考えられるようになりました。(知識が増えたことで、対応する選択肢の幅が増えたことも原因かも)
数百冊の中からぜひおすすめしたい書籍2選
最後に数多く読んできた中で、私がおススメする2つ書籍をご紹介します。
その本を読んだことで自分の意識が変化したり、知識がアップデートされたと感じるものを軸に選びました。
①メモの魔力-前田裕二
引用:前田裕二の「メモの魔力 -The Magic of Memos-」をApple Booksで
本のタイトルにあるように、メモについて書かれた本です。
具体的には、メモを取ることの意味から、実生活に活用できるメモの取り方まで実践までできるようにまとめてあります。
メモに関していえば、最近はデジタル社会でスマホにメモすることが多いです。書くよりも打つ方が断然早く、字が汚くなることもないですし、何より効率的です。
しかし、この本を読んでみて「メモをすること自体が目的になっている」ことが多いことに気づきました。
メモをするためのツールなどは数多く登場していますが、「そもそもその取ったメモをどう活かすか」が、メモの本質だと感じました。
今は「ビックデータ」が当たり前になり、ほとんどの企業は大量のデータを集めて、そのデータを活用して市場調査や顧客分析など、事業継続のためのヒントにつなげています。
データの母数が多ければ多いほど、次への対策や方針を考えるヒントになるわけです。
しかし、最も大事なことはそのデータをどうやって活用するかです。ただデータを多く集めても、それを活かせなかったら何の意味もありません。
メモも同じです。たくさんメモして満足した状態になって、そのまま放置して忘れてしまったら何のためのメモなのかわかりません。
この本からは、活きるメモの具体的な取り方とメモすること自体の概念をひっくり返してくれます。
また、前田裕二さんの書籍は個人的にとてもモチベーションが上がります。前田さんは過去に壮絶な経験をしており、その経験を通して感じた不便さや悔しさをもとに著作しています。
過去の経験についても、自身の感じたことを具体的に記してあるので、とても心に刺さる部分もあります。
「メモの魔力」と同じく、「人生の勝算」という書籍も出しており、自分が何かをしようと決意するためのモチベーションにつながる内容になっています。
とにかく心を揺さぶられる本が多いです。そのように感じたので、おすすめの書籍に選ばせてもらいました。
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②独学の技法-山口周
引用:知的戦闘力を高める 独学の技法 / 山口周 | 日本書籍丨EnjoyJapanlife
「独学」については、同じ種類の本をいくつか読んできた中で、この本が一番だと思いました。
私は読書も独学の一部だと思っています。「ある分野の知識を高めたい!」「自分を変えたい!」などと、自分が感じたことを本を通して学んでいくことは独学と呼べるでしょう。その独学の本質をついている本になります。
特に、本の中でも紹介されている「クロスオーバー人材」というワードがとても興味を掻き立てられました。クロスオーバー人材とは、専門的な知識を持つ人材と、幅広い知識を持つ人材を合わせた人材を指します。
要は縦に深く、横に長い知識を持つ人材のことです。
社会人になると、学生とは違い自分で学んでいく姿勢が必須になります。しかし、自分で学ぶためにどうするのか具体的に書かれている本って意外と少ないんですよね。
専門的な知識というのは、ある専門分野の仕事を長期間続けていくと、ある程度の領域までには達することができます。
しかし、幅広い知識となるとそうはいきません。自分から関心をもって学ばなければいけないからです。その時に必要なことが、「独学」です。
そして、独学と言っても何でもかんでも、片っ端から本を読んでいけばいいということではありません。
本の中にも良書があり、土台として読むべき本があります。また、先に学んでおくべき分野もあります。
私が一番重要だと感じることが、ある分野の本で得た知識を、別の分野にも利用できるようにすることです。
例えば、携帯電話を例に考えてみましょう。
今や広く知られているとは思いますが、携帯電話を提供している大手キャリア(ソフトバンク、KDDI、NTT、楽天)のメインのビジネス形態はストックビジネスです。
最近だと、ネットフリックスなどの「サブスク」と呼ばれるもの、これらはストックビジネスの一つです。一度契約していれば、継続的に収益が入るなんて羨ましいなと思ったことはありませんか。
実はこれに似た仕組みなのが、「株式配当」です。
「NISA」という言葉も浸透してきて、投資を行っている方も増えてきたので配当についてもご存知の方が多いでしょう。
これはいわゆる「一般消費者のストックビジネス」と呼べるのではないでしょうか。
このように、他の知識を別の知識と組み合わせたり、別のものに利用したりすることが重要だと思っています。
この方法を「抽象化」と呼んだりもします。
より具体的な事象を、もっと広い視点で大まかにして、別の分野で適した利用方法を探るような意味合いです。
よく耳にする「イノベーション」という言葉も、この抽象化が原点となっています。
イノベーションとは技術革新です。今までにない技術を生み出すには、その分野から離れて別の分野の技術を組み合わせることで、革新につなげています。
要するに、独学は自分がイノベーションを起こすための土台になります。
つまり、独学が身についている人は勝手に成長していけるので、ぜひこの本で独学を身に付けてください!
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