投資のリスク管理完全ガイド|元証券マンが実践する「資産を守り抜く」10の技術

【制度】新NISA・iDeCo戦略

あの時売っておけばよかった…

投資をしていれば、一度はそんな悩みを経験しますよね。

特に、含み損が膨らんでいく画面を見るのは辛いですよね。「いつか戻るはず」と自分に言い聞かせているうちに、さらに損失が拡大して身動きが取れなくなる。そんな経験はありませんか?

投資で最も難しいのは、実は「買うこと」ではなく「売ること」です。

出口戦略、つまりリスク管理ができていないと、せっかくの資産を増やすチャンスを自ら潰してしまいかねません。

私は以前、証券会社に勤務し、プロの現場で多くの投資判断を経験してきました。 その経験から私自身のマイルールとして、「含み損15%で損切り、含み益25%で利確」という極めてシンプルにして、リスク管理を行っています。

このルールを徹底することで、感情に左右されず損失を最小限に抑え、一方で着実に利益を確定させることができます。

また、浮いた資金を次のチャンスへ回せるため、常にポートフォリオを最適な状態に保ち続けることが可能になりました。

本記事では、この「15%/25%ルール」の具体的な運用の仕組みや、初心者の方でも今日から実践できる10のリスク管理術を解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたは「いつ売ればいいのか」という迷いから解放され、資産を守りつつ増やすための手法を手にしているはずです。

投資の成否を分けるのは、才能ではなく「管理」です。ぜひ、一生モノのリスク管理術を身に付けてください。

なぜ投資に「リスク管理」が必要なのか?

投資の目的は「資産を増やすこと」ですが、その大前提は「市場で生き残り続けること」です。

「生き残る」ってどういうこと?

つまり、長期的に投資を行っていける状態を維持することです。

その状態を実現するには、以下の2点が非常に重要になってきます。

  • 感情は投資の邪魔をする
    • 人間は「得をする喜び」より「損をする痛み」を2倍強く感じると言われています(プロスペクト理論と呼びます)
    • ルールがないと、損を確定させたくなくてズルズルと傷口を広げてしまいます。
  • 「負けない」が「勝ち」につながる
    • 大きな損失を1度でも出してしまうと、元の資産に戻すにはそれ以上の高い利回りが必要になります。
    • 守りを固めることが、実は最短の近道なのです。

 

【実践】明日からできる!投資のリスク管理方法10選

私が証券会社時代に学び、現在も実践している「年間100万円単位の資産を守る」ための技術を紹介します。

明日からでも取り組めるように、具体的なアクションについて紹介しています。

① 資産配分:現金比率を「年齢%」にする

リスク管理の第一歩は、投資に回さない「現金」をいくら持つかです。

  • 具体策
    • 「100 - 自分の年齢」を投資比率の上限にします
    • 例えば、30歳なら投資70%:現金30%
  • 明日のアクション
    • 銀行口座と証券口座の総額を書き出し、現金比率が年齢%を下回っていないかチェックしましょう

 

② 生活防衛資金:ネット銀行の「目的別口座」に隔離

投資資金と生活費が混ざると、暴落時にパニックになります。

  • 具体策
    • 生活費の6ヶ月分を、普段使わないネット銀行の「目的別口座」や定期預金に移す
    • そのまま、預けた存在を忘れられるのが理想
  • 明日のアクション
    • 自分の1ヶ月の最低生活費を計算し、その6倍の金額を投資専用口座とは別の場所に移動しましょう

 

③ 出口戦略:購入と同時に「15%損切り・25%利確」の指値

「後でやろう」は失敗の元。買った瞬間に売りの予約を入れます。

株式投資などの指値注文(自分で決めた価格で売買)の場合、最長30日間の期間指定が可能になっています。

  • 具体策
    • 自分のルールを決める。私の場合は「15%損切り・25%利確」
    • 注文時にセットで出す「OCO注文(またはIFD-OCO)」で行います
  • 明日のアクション
    • 保有銘柄の購入単価を確認し、その0.85倍と1.25倍の価格で売り注文(逆指値・指値)を入れてみましょう
OCO注文とは

2つの異なる注文を同時に発注し、どちらか一方の注文が成立(約定)した場合、もう一方の注文が自動的に取り消される(キャンセルされる)という仕組みです。

 

④ 分散投資:投資信託の「中身」を重複させない

同じような業種ばかりのファンドを複数持っていても分散になりません。

  • 具体策
    • 「米国株」「日本株」「全世界株」「ゴールド」など、相関関係の低い資産を組み合わせます
  • 明日のアクション
    • 証券会社の管理画面で、保有しているファンドの「資産構成」を確認し、特定地域に偏りすぎていないか確認しましょう

 

⑤ 時間分散:一括購入を「12分割」する

今ある余剰資金を、一度に全額投入するのは投資ではなくギャンブルです。

  • 具体策
    • 投資したい金額を12分割する
    • 毎月決まった日に自動で買い付ける設定にします
  • 明日のアクション
    • 証券会社の「積立設定」メニューを開き、毎月定額で購入する設定を完了させましょう

 

⑥ 逆指値の徹底:夜中の暴落をシステムに任せる

「寝ている間に暴落したら…」という不安を消します。

  • 具体策
    • 株価が一定額まで下がったら、自動で「成行売り」が出る「逆指値」を常に有効にしておきます
  • 明日のアクション
    • 特に変動の激しい個別株に、直近の安値を少し下回る価格で逆指値をセットしましょう

 

⑦ 3ヶ月に一度の「リバランス」

値上がりした資産を売り、安くなった資産を買うことで利益を固定します。

  • 具体策
    • カレンダーに「リバランスの日」を登録
    • 当初の比率から5〜10%ズレていたら調整します
  • 明日のアクション
    • スマホのカレンダーの3ヶ月後の日付に「資産比率チェック」という予定を入れてみましょう

 

⑧ 情報の遮断:SNSの「通知」をオフにする

SNSの極端な意見(暴落煽りや爆益報告)は、冷静な判断を狂わせます。

  • 具体策
    • 投資系インフルエンサーの通知をオフにし、チェックする時間を1日1回10分だけに制限します
  • 明日のアクション
    • スマホの設定画面から、投資関連アプリやSNSの通知設定を「オフ」に変更しましょう

 

⑨ 投資の「検証ノート」作成

同じミスを繰り返さないために、失敗の記録を残します。

  • 具体策
    • スマホのメモアプリに「銘柄名」「購入理由」「売却基準」の3点だけをメモします
    • メモする項目は最低限に絞る
  • 明日のアクション
    • メモアプリに「投資日記」というフォルダを作り、今持っている一番大きな銘柄の「買った理由」を1行だけ書いてみましょう

 

⑩ 「30分で説明できない商品」は売却

仕組みがわからないものは、リスクがどこにあるかもわかりません。

  • 具体策
    • 家族や友人に、その商品の「なぜ儲かるのか」「損をするパターンは何か」を30分で説明できるか試す・イメージします
  • 明日のアクション
    • 保有銘柄の中で、自分でも説明が曖昧なものがあれば、解説サイトを1つ読むか、思い切って売却候補リストに入れましょう

 

【深掘り】なぜ「15%損切り・25%利確」が最強なのか

私がこの数値にこだわっているのには理由があります。

項目ルールの意図メリット
-15%損切り致命的な損失(-30%以上)を回避する資金の回転率が上がり、次のチャンスを逃さない
+25%利確利益がピークアウトする前に「勝ち」を確定させるポートフォリオが常にリフレッシュされ、健全化する

このサイクルを回すと、「負けは小さく、勝ちは着実に」という流れが生まれます。

含み益は、あくまでも「現時点での利益」なので、確定はしていません。

そのため、ルールに基づいて「利確」をすることで、次の投資への元手が手に入ります。

その元手をさらに、別の投資先に投資することで、自身のポートフォリオを常に最新に再構成できます。
 

初心者が今日から始める3ステップ

  1. 自分の投資額を把握する
    • 今、いくら投資していて、いくら現金があるかを確認しましょう
  2. 売却基準を紙・メモに書く
    • 「-15%で売る」と紙・メモに書いて、PCやスマホで確認できる状態にします
  3. 1銘柄だけで試してみる
    • まずは1つの銘柄に逆指値を入れて、自動で売却される体験をしてみましょう

 

結論:管理ができると、投資はもっと楽しくなる

リスク管理は、決して「儲けを減らすための制限」ではありません。

むしろ、

安心して投資を続け、最終的に大きな資産を築くための「最強の武器」です。

元証券マンの私でも、予測を外すことは多々あります。しかし、ルールがあるからこそ、大きな失敗をせずに今日まで資産を増やし続けてこれました。

まずはあなたなりの「ルール」を決めてみてください。

投資自体、形あるものではありません。食べ物や消耗品であれば、日々劣化していくのは目に見えて分かります。

しかし、投資資産は日々、価格・価値変動が起きています。

その状態のまま、放置するのは危険です。そのためにリスク管理を行うのです。

リスク管理ができるようになると、投資を行うことが驚くほどシンプルに感じます。難しく考えずにまずは実践してい見ましょう。

以下のチェックリストを参考にして、実践してみましょう!

【明日から実践!リスク管理10選チェックリスト】

  • 1. 現金比率の確認
    • 自分の総資産のうち「年齢%」以上の現金が確保されているか?
  • 2. 生活防衛資金の隔離
    • 生活費の6ヶ月分が、投資用とは別の「触らない口座」に入っているか?
  • 3. 出口戦略の予約(15/25ルール)
    • 保有銘柄に「-15%で損切り / +25%で利確」の自動注文を入れたか?
  • 4. 資産の重複チェック
    • 「米国株だけ」「IT株だけ」のように、投資先が偏っていないか?
  • 5. 積立設定の自動化
    • 一括投資ではなく、毎月決まった額を買い付ける設定になっているか?
  • 6. 逆指値のセット
    • 寝ている間の急落に備え、主要な銘柄に「逆指値」を入れているか?
  • 7. カレンダーへの予定登録
    • 3ヶ月後の日付に「資産比率をチェックする(リバランス)」と入力したか?
  • 8. 情報ダイエット
    • 不安を煽るSNSの通知をオフにし、自分のルールに集中できる環境を作ったか?
  • 9. 投資メモの作成
    • 今の保有銘柄について「なぜ買ったか」を1行でもメモアプリに書いたか?
  • 10. 商品理解の再確認
    • 持っている銘柄の「損をする仕組み」を他人に説明できるか?

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