
含み損が増えているのに、なかなか損切りできない……
株式投資を始めたばかりの頃、このような悩みを抱える方は少なくありません。
私自身も投資を始めた当初は、株価が下落するたびに証券アプリを何度も確認し、『もう少し待てば戻るかもしれない』と損切りを先延ばしにしていました。
しかし、投資で失敗する原因は、知識不足や分析力の低さだけではありません。
実は、多くの投資家は『損失を確定したくない』という感情や、『みんなが買っているから安心』といった心理バイアスに影響されているのです。
この記事では、投資初心者が損切りできない理由を「投資心理学」の観点からわかりやすく解説します。
- 損失回避バイアス
- サンクコスト効果
- 群集心理など
投資判断を狂わせる5つの心理バイアスと、感情に左右されないための具体的な対策を紹介します。
記事を読み終える頃には、『なぜ自分は損切りできないのか』が理解でき、自分なりの投資ルールを作れるようになるはずです。
私自身、配当投資を続けるなかで、購入前に売却ルールを決めることや投資日記をつけることを習慣化した結果、以前よりも冷静に投資判断ができるようになりました。
感情に振り回されず、長期的な資産形成を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
なぜ投資初心者は損切りできないのか?
投資で損切りできない最大の理由は、「損失を確定させたくない」という感情です。
株価が下落すると、多くの人は次のように考えます。
しかし、損切りを先延ばしにすると、さらに損失が拡大するケースも少なくありません。
投資で大切なのは、「損をしないこと」ではなく、「大きな損失を避けること」です。
そのためには、まず自分の心理を理解することが重要です。
投資初心者が陥りやすい5つの心理バイアス
自分の心理を理解するためには、『今の心理状況が以下の5つのどれに当てはまるのか』を見極める必要があります。
各5つの心理バイアスを理解できれば、自身の心理状況の把握はそれほど難しくはありません。
各バイアスを分かりやすく解説しますので、ぜひ理解しておきましょう。
① 損失回避バイアス
人は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛を強く感じる傾向があります。
例えば、1万円の利益を得た喜びよりも、1万円の損失を出した苦痛のほうが大きく感じられます。
そのため、『まだ売らなければ損失は確定しない』と考えてしまい、損切りを先延ばしにしてしまうのです。
② サンクコスト効果
サンクコスト効果とは、すでに支払ったお金や時間に執着してしまう心理のことです。
例えば、
と考えてしまう状態です。
しかし、過去に使ったお金は取り戻せません。
重要なのは、「今後も保有する価値があるか」を冷静に判断することです。
③ 確証バイアス
確証バイアスとは、自分に都合の良い情報だけを集めてしまう心理です。
株価が下落しているにもかかわらず、
といった行動を取ってしまいます。
投資判断をするときは、あえて反対意見にも目を向けることが大切です。
④ 群集心理
このような心理を「群集心理」といいます。
SNSやニュースで話題になると、冷静な分析をせずに購入してしまうケースがあります。
しかし、話題になった頃には、すでに株価が大きく上昇していることも少なくありません。
他人の行動ではなく、自分の投資ルールを優先しましょう。
⑤ 過信バイアス
過信バイアスとは、自分の知識や判断力を過大評価してしまう心理です。
数回の成功体験によって、『自分は投資が上手い』と思い込み、損切りルールを無視してしまうことがあります。
投資では、どんな優秀な投資家でも失敗します。
私も元証券マンで、投資初心者よりも知識・経験があると思い込み、過去に大失敗した経験があります。(詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。)
失敗を前提にリスク管理することが重要です。
【実体験】私が損切りできずに失敗した話
私自身、投資を始めた頃は含み損が増えるたびに証券アプリを何度も確認していました。
株価が下落しても、
- 高配当株だから大丈夫!
- そのうち戻るだろう
と考え、損切りの判断を先延ばしにしていました。
結果として、含み損がさらに拡大し、大きなストレスを感じた経験があります。
また、SNSで話題になっている銘柄を十分に調べずに購入し、短期間で値下がりしたこともありました。
現在は、購入前に以下の内容を必ずメモしています。
事前にルールを決めておくだけで、感情に流される場面が大きく減りました。
損切りできない自分を克服する5つの方法
① 購入前に損切りルールを決める
最も重要なのは、買う前に売る基準を決めることです。
例えば、
- 購入価格から10%下落したら売却する
- 業績予想が下方修正されたら売却する
- 配当方針が変更されたら売却する
など、自分なりのルールを決めておきましょう。
私は、購入価格から20%以上下落した場合は売却することにしています。
感情ではなく、ルールで判断することが大切です。
② 逆指値注文を活用する
逆指値注文を使えば、あらかじめ設定した価格で自動的に売却できます。
逆指値相場を常に確認する必要がなくなり、感情的な判断を防げます。
損切りが苦手な人ほど、積極的に活用したい機能です。
③ 少額投資で損切りに慣れる
初心者のうちは、少額から始めるのがおすすめです。
損失額が小さければ、心理的な負担も軽くなります。
実際に損切りを経験することで、『損切りは失敗ではなく、リスク管理の一つ』と理解できるようになります。
私も過去に損切りができず、最終的に「1回の取引で約20万円の損切り」を経験しました。
このように大きな損失を避けるためにも、少額投資かつ損切りするラインを決めておきましょう。
④ 投資日記をつける
売買した理由や、そのときの感情を記録しておきましょう。
後から振り返ることで、
が見えてきます。
過去に、私も何も考えずに短期売買をしていた時期があり、大きく損を出した経験があります。そこから、ノートに手書きで購入・売却理由などを記録していました。
以前はノートに書いていましたが、最近はスマホのメモアプリを活用しています。
⑤ 証券アプリを見すぎない
株価を何度も確認すると、短期的な値動きに振り回されやすくなります。
特に長期投資を前提としている場合は、毎日チェックする必要はありません。
私は配当投資を始めてから、株価よりも「配当金の推移」を重視するようになりました。
その結果、短期的な値動きに一喜一憂しなくなりました。
損切りは「負け」ではなく「必要経費」
投資で損切りをすると、『失敗した…』と感じるかもしれません。
しかし、損切りは大きな損失を防ぐための重要なリスク管理です。
プロの投資家でも、すべての投資で利益を出しているわけではありません。
大切なのは、
- 小さく負ける
- 大きく負けない
- 次のチャンスに備える
という考え方です。
投資において最終的に高いリターンを出している投資家は、「自制力」と「判断力」が高い傾向があります。
要は、周りに左右されず自分で決めたルールを徹底的に守り抜き、その判断をすぐに下すことができます。
そのため、損切りを1つのリスク軽減のための手段と捉えていて、「失敗」とは捉えていません。
また、一時的な資産のマイナスよりも、次にリターンを出すための準備を行うことの方が重要です。
なので長期的な視点で、資産形成を続けていきましょう。
感情に流されないためには積立投資もおすすめ
損切りが苦手な人は、個別株だけでなく、新NISAを活用した「積立投資」も検討してみましょう。
積立投資なら、毎月自動で購入できるため、感情に左右されにくくなります。
私自身も積立設定を行うことで、相場を毎日気にする時間が大きく減りました。
投資を習慣化するためにも、自動化できる仕組みを作ることが大切です。
積立投資を自動化すると、相場を毎日チェックする回数が減り、感情に流されにくくなります。
私も新NISAでは積立設定を活用して、長期投資を続けています。
投資心理学をもっと深く学びたい方におすすめの一冊
ここまで解説してきたように、投資で失敗する原因の多くは知識不足ではなく、「人間の心理」が影響しています。
私自身、証券会社で働いていた頃、契約顧客が感情に流されて判断を誤る場面を数多く見てきました。
そして、自分自身も投資を始めた当初は、含み損が増えるたびに不安になり、『もう少し待てば戻るはず…』と損切りを先延ばしにしていた経験があります。
そんなときに手に取って読んだのが、『リスクの心理学』という本です。
この本では、『人がなぜリスクを過大評価したり、逆に過小評価したりするのか』を、心理学や行動経済学の視点からわかりやすく解説しています。
上記で紹介した、投資における「損失回避バイアス」や「群集心理」を理解するうえでも非常に参考になる一冊です。
私も今でも定期的に読み返し、自分の投資判断が感情に左右されていないかを確認しています。
特に投資初心者は、ぜひ一度手に取って読んでみてください。
まとめ
投資初心者が損切りできない理由は、知識不足ではなく、人間が本来持っている心理バイアスが原因です。
損切りを妨げる主な心理は以下の5つです。
- 損失回避バイアス
- サンクコスト効果
- 確証バイアス
- 群集心理
- 過信バイアス
感情に流されないためには、事前に投資ルールを決めることが重要です。
損切りは失敗ではなく、大きな損失を防ぐためのリスク管理です。
焦らず、自分なりのルールを作り、長期的な視点で資産形成を続けていきましょう。





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