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投資家に最も影響を与えるものとは
投資に重要なものって何でしょうか?
成長する銘柄を見抜くセンス、売買の的確なタイミング、世の中の情勢をつかむ圧倒的な知識マンなど...
もちろんこのようなセンスやスキルも重要です。
しかし、投資の利益を左右するのは、投資家の「心理状態」です。
なぜなら株に価値をつけるのは私たち投資家だからです。
もともと、株というものには価値が決まっているわけではありません。
投資家がこの値段なら購入できる、この値段なら売却できるとなった時に一致した価値で売買が行われているにすぎません。
なので、この値段なら取引できる!と決断できるのには、その投資家の心理状態が影響しています。
これは投資家の心理を読むことにもつながりますが、自分自身の心理状態を客観的に分析するためにも、投資における心理学はとても重要なものになっています。
今周りに流されて買っているのではないか?本当にこの株の価値は適正なのか?
といったことを冷静に分析できれば、自分自身の損失を出すリスクを減らせます。
また、今の市況から判断すると、他の投資家はこういった動きをするだろうと相手の動きを予測することもできます。
予測できると、自分が取るべき行動も明確になります。
よって利益を出せる確率も上がります。
この機会に投資を行うにあたってどういった心理状態があるのかを把握しておきましょう!
今回は「サンクコスト」という心理状態に絞って解説していきます。
サンクコストとは?
サンクコストとは埋没費用のことを言います。
具体的には、損失する可能性が高いとわかっていても、過去に投資したコストの価値を引きずってしまい辞められないという心理状態です。
簡単なたとえで言うと、ギャンブルの代表「パチンコ」。
パチンコで有り金10万円を全て注いだとします。その結果は、全く当たらず利益は0円。
しかし、ここで即辞められる人って実はあまりいないのです。
この場合の心理状態を考えてみましょう。
「同じ台で今日ずっと張り付いて10万円も使ったんだ!もしかしたら次に大当たりが来るかもしれねぇ。まだ辞めるわけにはいかない!さらに追加資金を投入だ!」
といった具合になります。
これって実は株式投資などの場合でも結構よくあるのです。
例えば、「この間買った株の価格がマイナス10万円にもなっちまった...しかし明日には株価が急騰するかもしれない!そんなきがするぞ。だからまだこの株は持ち続けよう!」
となる可能性が高いです。
そして、この例で挙げた10万円がサンクコストになるわけです。
サンクコスト効果が起きる心理
サンクコスト効果が起きる心理には、大きく3つあります。
起きる要因を把握しておくことで、自分の今の心理状態はサンクコスト効果を受けていると冷静に判断できるようになります。
損失回避
これはその名の通り、損失を避けようとする心理です。
誰でも損失を出すのは嫌な気持ちになりますし、一気に落ち込みますよね。
行動経済学では、この気持ちの起伏を調べた結果があります。
その例として、人は10万円をもらう喜びよりも、10万円を失う悲しさの方が上回っているという研究結果が出ています。
そのため、「損をしたくない」という気持ちがサンクコスト効果につながるわけです。
自己責任
これは責任感がある人ほど陥りやすいです。
自分が投資して損失出した場合、この損失を何とか取り戻さなければいけないと気負ってしまう傾向があります。
これが、もし他人の資金で、他人の資金ならそれほど気負うこともないとないと思います。
自分ごとになると、何事においても真剣になるため、サンクコスト効果が発生しやすいです。
自信過剰
自分のことを過信しすぎることもサンクコスト効果の原因になりやすいです。
「自分の投資判断は間違っていない」「このままやれば絶対に利益が出るはず!」という、根拠のない思考がサンクコスト効果につながります。
サンクコスト効果への対策
いざ自分がサンクコスト効果に陥った時に、どのような対策が必要になってくるのだろう?
サンクコスト効果について把握しておく
まずは大前提、このサンクコスト効果について理解しておくことです。
この審理状態とその原因を知っているだけで、いざその効果に似た事象が起こった時に、「これはサンクコスト効果なのでは?」と、一旦冷静になることができます。
この一瞬でも冷静になれる時間が重要なのです。
もし、サンクコスト効果について何も知らない状態で、この効果に陥っていたとしても気づかないまま、そのまま間違った行動を起こし続けます。
そして、最終的に取り返しのつかないところまで行ってしまうのです。
例えば、メンタリストのDaigoさん。
彼は、あらゆる心理状態について把握していて、さらにはそれを裏付ける研究結果や事例を頭の引き出しに入れています。
なので、自分の欲や無意識な状態で行動してしまったとしても、合理的に判断して間違いに早めに気づくことができているのだと思います。
またDaigoさんってあんまり焦ったりするイメージがないと思いませんか?
落ち着いているというか、何が起こっても同時なさそうな感じがします。
これは、メンタリストともいわれている所以だと思うのですが、自分の心理状態を客観的に把握している状態だからこそメンタルが安定しているためだと思います。
物事について完全に理解している状態って、常に合理的な判断ができている証拠だと思います。
Daigoさんほどの完璧なメンタリストになる必要はないですが、その心理状態についてざっくりでも知っておけば、危険な橋を渡る前に冷静に引き返す判断ができます!
利益と損失の均衡の見直し
過去の投資や努力については、それを回収することはできません。
重要なのは、将来の見込みと現在のコストとのバランスを考えることです。
過去の投資に拘泥せず、将来の見込みと現在のコストを総合的に評価し、リターンや効果の見込みがある場合には継続するかどうかを判断しましょう。
例として特に投資初心者に多いのが、投資を始めた頃にビギナーズラックで利益が大きく出たときです。
この経験が「自分は投資の才能がある!」と思わせてしまい、自分の投資感覚を過信してしまいます。
結果として、過去の投資を自信に、どんどん投資資金を大きくしたりと気持ちも大きくなり、最終的には大きく損をしてしまうことになります。
そうならないためにも、過去に目を向けるのではなくて、まずはしっかり現状を把握すること。
そこから将来の見込みを予測して考えるという習慣をつけましょう!
定期的な評価と再評価
プロジェクトや投資は時間とともに変化します。
定期的な評価や再評価を行い、現在の状況や将来の見込みを正確に把握しましょう。
過去の投資や努力に固執せず、最新の情報を踏まえた判断を行うことが重要です。
株価は時間とともに変化していきます。
そして株価が急変するのは、その時の出来事に影響します。
なので、昔から持っている株や長期保有すると決めた株なども、買ってそのまま放置するのはあまり良いとは言えません。
巷では、「買ってそのまま放置のインデックス投資」などのタイトルの本などがあったりします。
しかし、どんなに中身の良い銘柄でも、長期間ずっと右肩上がりに伸びていくわけではありません。
たとえ、買って長期間保有するにしても、定期的に現在の株の価値を再評価してくことが重要です。
気づいた頃には、何の価値もなかったとなることがないように気をつけましょう!
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